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井本史夫

井本史夫(いもと ふみお)
横浜市青葉区にある井本動物病院の院長先生。1945年、兵庫県三木市生まれで、帯広畜産大学卒。3歳よりネコと寝起きを共にし、小学生から中学生のころの泳ぎ相手はイヌ。 大学時代はアパートでウサギを飼育、研究室ではニワトリの世話をし、走っているウマの応援が好きな虎ファンと、まさに動物づくしの人生を送っている。著書に「集合住宅でペットと暮らしたい」(集英社)「間違いだらけの室内犬選び・育て方」(講談社)など。
井本動物病院HP
http://imoto-ahp.com/

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2010年3月

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ペットの地震対策

 地震災害に遭われた能登地方のみなさまにお見舞い申し上げます。

 さて、ペットの地震対策ですが、
 なんといっても、ケージに入れることに慣れさせておくことです。

 多くの人は、室内で犬や猫を自由にさせています。
 部屋の中でずーっと自由にさせていて、地震が起きたからケージの中でおとなしくしていなさい・・・なんて突然言われても、犬や猫は困ってしまいます。押し込めば中には入るでしょうが、泣き叫んだりガリガリ掻いたりすることでしょう。
 そうならないためにもふだんから、ケージあるいはクレートの訓練がしてあれば、なんの苦もなくおとなしく入っています。ほとんどの猫は、ケージのなかでもおとなしいのですが、犬はそうはいきません。
 とはいっても、訓練の本に書いてあるようにはなかなか行きません。
 そこで、人と犬の両方に楽な方法をご紹介します。
 この方法の大事なところは、ケージ(クレート)が安全で楽しいところだということを、犬に憶えさせることです。ですから、人もリラックスしていないといけません。
 
 1)ケージ(クレート)を用意する(犬の体を考え、持ち運びできる大きさにする)
 2)ケージ(クレート)の扉は、いつも開けておく。
 3)ケージ(クレート)の中におやつをいれる。
 4)ケージ(クレート)の中に犬が入っていても知らんぷりしている。
 5)ケージ(クレート)の中に犬が入っているときにおやつを与える。
 6)ケージ(クレート)の中に犬が入っているときに、窓からそっとおやつを入れる。
 7)ケージ(クレート)の中に犬がおとなしく入っているときに、扉をそっと閉める。
 8)ケージ(クレート)の中に犬がおとなしく入っているときに、窓からそっとおやつを入れる。
 9)日常生活の中で、7)と8)を繰り返す。
 10)ケージ(クレート)の中で寝る・ひとりの時にケージ(クレート)の中に自分から入る ということができるまで、無理しない。

 くれぐれも、ケージの扉をバタッと大きな音で締めないでください。

あ!地震だ!そのときどうする?

 揺れているときが過ぎたら、自分の家族とペットがどこにいるか、無事かどうか確認しましょう。
 さて問題はそれからです。
 食料は用意していますか。その当日は、周りの環境が興奮状態で、食欲がないかもしれませんが、を与える必要があります。食料は普段食べているものを1週間分くらいは用意しておきましょう。水も人の分といっしょに1週間分の用意を。
 ペットシーツやトイレ砂も1週間分は用意しておきましょう。
 心臓病などの持病のある場合は、薬剤の製品名と薬用量を書いたメモも持っておきましょう。
 
 地震の際には、東京に動物救援本部が設立されます。現地の対策本部(すべての都道府県とは言えませんが徐々にできつつあります)と連携しながら、支援体制をとります。
 もちろん、即現地に入るボランティア団体もあるでしょう。
 大体の体勢がとれるまで1週間はかかっています。
 場所によってはもれるところもあるかもしれません。外部から来るボランティアは土地勘がありませんので、我慢しないでいろんなところに連絡するようにしてください。
 
 なお、地震に遭ったペットたちの症状は下痢や嘔吐といった症状が多かったです。

クレートの必要性

 イヌやネコに対するクレート訓練の目的は、災害対策だけではありません。
 むしろ、「安心できるねぐらを用意するため」と思った方がよいと思います。happy01
 
 イヌやネコは眠るとき、囲まれているところの方が安心できるのです。dogcat
 
 地震のとき、自宅が問題なければよいですが、自宅が崩壊するという事態も考えておかなくてはなりません。despair
 そのときに、ペットはそこには置いておけません。人と一緒に、どこかに移動するわけです。
そのときに、バタバタ落ち着かなかったり、緊張するタイプだと、二重に困ってしまいます。sad
 
 クレートに入って安心していておとなしくしてくれれば、飼い主としてどんなに助かることでしょう。happy01

 

ペットの地震対策(お知らせ)

 (社)横浜市獣医師会では、毎年、市民フォーラムを開催しています。
 今年の開催要領は、以下の通りです。

 テーマ「どうしますか動物たちを?震災時に!!」

 日時:平成18年2月19日(日)
     午後1時30分〜午後4時30分
 場所:横浜市社会福祉センター4階ホール
     交通案内JR・市営地下鉄桜木町駅徒歩1分(駅前です)
 参加費:無料
      受付は12時30分から

  第1部
  講演:「阪神淡路大震災の体験」 神戸市獣医師会長市田成勝先生
      「有珠山災体験から」 札幌市小動物獣医師会長高橋徹先生
      「災害時、日頃心がけておくポイント」 横浜市獣医師会理事久松紘一先生
      「災害対策について」 横浜市衛生局動物保護管理係長野村泰弘先生

  第2部テーブルディスカッション
  司会 井本史夫

  主催 (社)横浜市獣医師会
  後援 横浜市

  問い合わせ先 (社)横浜市獣医師会 電話045−751−5032


 
     

災害対策 その2

犬猫にも「ハウス」のご用意をsign01

猫には昔から「猫ちぐら」http://www.ne.jp/asahi/gou/kekeke/hp/chigra.htm
がありますcat
猫は小さいハウス(ケージ)でも文句をいわないでおとなしくいます。happy01

ところが、
犬には「犬ちぐら」がありません。
犬とは家の中でいっしょに住まなかったのですから。
でも、犬も落ち着いて寝ることのできる場所は、「猫ちぐら風の場所」です。
つまり、入り口以外の三方と屋根に取り囲まれているハウスです。happy01

「狭いところで寝かせるなんて・・・」と思う方
あなたが何十畳もある大広間に寝たとしてもその部屋の真ん中に布団を引くでしょうか。
たぶん、隅っこに引くと思います。
犬の自室を用意してやると思ってください。

「ケージに入るのをいやがるんです・・・」という方
そのケージでなにかいやな思いをしたのです。
無理に閉じこめたとか、ケージに入れて病院へ連れて行き痛い思いをしたとか。
ケージによい条件をつければいいのです。
好きなおもちゃを入れておくdog
おやつをときどき入れておくdog
入ったからといって、急に扉を閉めない。
犬にとっていやな場所からよい場所に変えればよいのです。flair

ハウスの置き場所も考えましょう。あまり人通りの激しいところは?マークです。

狭いところでも落ち着いておれる犬だけが、人と一緒の避難所に行けるのです。

地震の時、ペットはどうする?

 「大きな災害に遭ったとき、ペットはどうする?」という質問をしますと、みなさん、当然のように、「避難所に連れて行きたい」と答えます。
 避難所に一緒に入れるよう、多くの獣医師会が活動しています。
 地方自治体の多くの担当者もできれば一緒にと考える人が増えてきました。
それは、「飼い主の心のケアに関わる問題」だからです。
 いろいろなことがクリアされて避難所にペットを連れて行けるとなっても、飼い主が事前に行っておくべき、重要なことがあります。
 「ケージに入っていても静かにしていられる」ということです。
 特に犬の場合、日頃、室内を自由に動き回り、寝床もクレート(屋根付き籠)状でないところに寝ている犬では、うるさく鳴くことが多いのです。・・・・つまり、一緒にいる人の迷惑になります。
 ですから、普段から、屋根があり窓の小さいケージに寝かせておくことをお勧めします。